きりまん工房ーキーボードの自作キーキャップ製作

レジンや木材、漆などいろいろな素材でキーキャップ作ってます

モノアイキーキャップのこだわり デザイン、製作編

ご覧いただき、ありがとうございます。

モノアイキーキャップをスカルピーで原型づくり、多色レジンにて製作した過程をご紹介します。

 

なお、スカルピーでの細かい作成過程についてはほかの記事をご覧ください

kirimanworks.hatenablog.com

kirimanworks.hatenablog.com

 

今回はモノアイキーキャップの製作過程でこだわった点についてご紹介します。

 

1.0 デザインのこだわり

1.1 モノアイにするにあたり

まず、モノアイを作るにあたり考えました。自分はモノアイがすきだけど、ほかの人はどうだろう?案外好きな方多いんじゃないかと。

 

Xで投票を行った結果は、好きな方93.3%でした!

 

で、好きな方が多いのはわかりました。

 

ただ自分の中で、モノアイ=ザ〇 が思いつきます。それをマネするわけにはいきませんし、あくまで自分も自分がデザインの概念として好きなモノアイを表現するように心がけました。

 

1.2 モノアイのデザイン

最初にモノアイを丸くくりっとしたお目目で書いてみました。

しかし、なにか物足りない!モノアイにあるかっこよさが見られない!

 

そこで、斜めに切ってみたりすることであの鋭いまなざしになるのではと思い、

いくつか案を出してみました。

 

上下で切ってみたり、シンプルな中にかっこよさをと思って段差をつけてみたりとした結果。

 

なんかしっくりこなくて、一晩寝かせた結果

最終的に右下のデザイン案ができました。

 

1.3 デザインの中での工夫

  1. モノアイはクリアさを強調できる構造とする
  2. 全体的に装甲感を出したい

 

1.については製作時の工夫で再現しました。

 

2.については段差や溝、リベットのような点を追加することで表現しました。

 

2.0 製作時のこだわり

2.1 スカルピーのざらざらとレンズのクリアさ

スカルピーは粘土ですので、いくらきれいにしてもざらざらは残ります。そこで、レンズには別に用意したレジンを用いることとしました。

 

レンズをはめ込むまでが大変だった💦

 

全体的に高低差のある構造なので、まずは低い面から製作して盛っていくようにしました。

ただ、レンズ部分は〇の精度が悪いとレンズとかみ合いませんのでそこは調整が必要です。

土台にレンズはめ込み部分を作りました。

 

 

続いて、レンズはめ込み部はぶった切って、盛りました。

 

で、さらに直線を調整、盛っていって

 

概形ができたらレンズに使用するレジンを削って形を整えていきます。

 

かなりの試行錯誤の結果、押し込み時に摩擦を感じるくらいぴったりにできました。

 

で、これを型取りする前に一部レジンでコートすることで外装部分にもツヤとざらざらした部分を作りました。

 

 

実はこの加工、思いつきでして。

シリコン型を取る前にケースへスカルピーの原型をレジンでつけるのですが、たまたま余ったレジンを一部塗りつけてしまい。よく見るとつやが出てよい感じだったので、外装の一部だけならアクセントになってよいかと思って塗りました。

 

2.2 多色レジン成形

色分けは主に3か所を考えていました。

  1. レンズ
  2. 外装
  3. それ以外の骨格、土台

さて、多色レジンは苦手とするところです。

使用しているレジンは気泡抜けがよく、透明度の高い作品を作るのには向いているのですが、

硬化が遅くて細かなところに留めておくことが難しいのです。

 

まずは瞬時に固まるUVレジンで試してみました。

 

 

思ったような色分けはできそうです。

 

ここで、自分の持っているレジンで粘度の高い

「フローレスレジン 海レジン用」をレンズや外装に使うことにしました。

 

こちらは気泡抜けがよい割に硬化が比較的早い(1時間―2時間くらいで水あめ状になる)ため、多色レジンでの注型も可能でした。

 

同じくコーティング用なども持っていますが、そちらは同じ粘度になるまで半日以上かかりますのであまり向いていない印象です。

 

2.3 レンズの仕掛け

さて、下の写真お分かりいただけるでしょうか。

 

実はレンズ部分が光を透過しているのです!! (えっへん!

 

なんだーそんなこと、と思わないでくださいね。 不透明なレジンを型に流しいれるのに透明な個所をどうやって確保するのか、あなたならどうしますか。

 

僕はむちゃくちゃ悩んだ結果、下の図のようにしました。

レンズの裏面に、別途透明レジンの棒を用意しておき、それを張り付けています。そうすることで色付きのレジンを流しいれてもレンズの後ろはクリアなままです。

 

ただ、ここに難しい点が一つ!

この棒が後ではめ込む型に干渉しないようにする必要があります。

レンズ部分のレジンは毎回同じだけ入れ込めるわけではありません。(厳密には量を合わせておく必要がありますが、その時の硬化の具合などで量を調整して入れているので揃えられません。)

ということで、レジンの棒は逐一クリアランスの調整のため、削っては軸受け側の型をはめてフィッティングを見ました。

 

この過程、結構大変でした…💦

 

でも、完成した作品では予想通りにキーボードのバックライトを透過してくれました。

 

2.4 カラーバリエーション

キラキラと鉄感も出るマイカパウダーをふんだんに使って、かっこいいと思えるような色味を調合しました。

ベースにシルバーを入れて、そこに各色のマイカパウダーを混ぜていくようにしました。

 

そして、完成したのがこちら!

 

 

いや、かっこいい!!笑

 

ということで、完成です。

 

おわりに

ご覧いただきありがとうございました。

新しい仕掛けによって製作時の手間がちょっとかかりましたが、その分楽しいギミックをお届けできたのではないかなと思っています。

 

頑張って作ったモノアイキーキャップはBOOTHに出展しています。

よければご覧ください。

 

kiriman-works.booth.pm

 

そのほかのスカルピー作品はこちら。

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それでは次の記事も見ていただけると嬉しいです。

 

クラシックカーキーキャップ -60’s のこだわり 製作編

ご覧いただき、ありがとうございます。

クラシックカーキーキャップをスカルピーで作製した過程をご紹介します。



前回は、60年代の車ということでデザイン面でどういった点を重視したのかまとめました。

kirimanworks.hatenablog.com

なお、スカルピーでの作成過程については前回の記事をご覧ください

kirimanworks.hatenablog.com

kirimanworks.hatenablog.com

 

 

今回は製作過程でこだわった点についてご紹介します。

 

2.0 製作過程のこだわり

デザインを活かすために、製作過程でいくつかこだわったポイントがありますのでそちらをご紹介します。

2.1 塗装と未塗装部分

せっかく窓をデザインに取り込んだので、透過させたいところ。一方で、塗装のハードルが上がるために細かいマスキングを行いました。

 

これがまた、ワイパーを避けてマスキングしたり小さな三角窓を抜くのに苦労したりと手間が増える一因となりました。

 

塗装した後にカッターで切れ目を入れて抜きました。3枚目が見やすいです。

このひと手間でぐっとトミカ感が出ました!笑

この時の作業はなで打ちラジオを聴きながらですね。 ほんと、お世話になっています。

 

2.2 カラーウェイ

実は色味についてもこだわりを持っています。

アーカイブを参考に、その年代に多い色味をできるだけ反映しようと思っています。(実際はカラバリがあったのでしょうが、標準的なところを狙いたい)

toyota-automobile-museum.jp

 

あくまでアーカイブのもの前提ですが、今回は下記の色で作製しました。

 

・白+クリーム系統 

-20’sは濃い緑や赤が多かったのに、年を追うごとに白や灰色、くすんだ緑など色味が落ち着いている印象です。

・赤+黒ルーフ

近代的な印象を受けるツートンですが、「トヨタスポーツ800」にも採用されているようでした。かっこよかったので採用!

↓トヨタ博物館アーカイブ「トヨタスポーツ800」のページ

https://toyota-automobile-museum.jp/archives/car-database/detail.html?id=55

・濃いめのブルー

日産ブルーバードがきれいな濃い青でした。これと同じ青を見つけることはできませんでしたが、藍色に近い濃いめのものを選びました。

↓トヨタ博物館アーカイブ「ダットサン ブルーバード P411型」のページ

https://toyota-automobile-museum.jp/archives/car-database/detail.html?id=139

・鮮やかなイエロー

ホンダS800がきれいな黄色でかっこよかったので採用。塗料はホンダのイエローです。シビックなどにも使われている黄色です。

↓トヨタ博物館アーカイブ「ホンダ S800」のページ

https://toyota-automobile-museum.jp/archives/car-database/detail.html?id=24086

 

なお、フロントグリルは

白・赤→シルバー

青・黄→ブラック

としています。 ちょっとしたバリエーションです。

 




2.3 追加のクリアパーツ

レジンを後で追加することでクリアパーツを再現しました。

 

・ヘッドライト

-20’sのときから採用しています。ライトのパーツをへこませて、そこに透明レジンを流し込むことでライトカバーを透明で再現しています。

 

また、正面のフォグランプ?ウィンカーだと思いますが(ここにきてデザインに対する機能面があいまい…)小さなくぼみにもレジンを流しいれています。

 

・サイドマーカー

こちらもレジンにオレンジで着色してクリアパーツを再現しました。

 

ここが色味的にもよいアクセントになっていると感じています!

おわりに

ご覧いただきありがとうございました。

こだわりを詰めすぎて製作時の手間がかなりかかるものとなりましたが、その分クオリティを上げられたかなと思っています。

 

頑張って作ったクラシックカーキーキャップはBOOTHに出展しています。

 

 

よければご覧ください。

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それでは次の記事も見ていただけると嬉しいです。

木とレジンの美ーウッドレジンキーキャップの作製3(完成)

ご覧いただきありがとうございます。

前々回(第1回目)はウッドレジンとはなにか、自分なりにまとめてみました。

前回(第2回目)はウッドレジンのブロックを作製するところまでまとめました。

 

kirimanworks.hatenablog.com

 

kirimanworks.hatenablog.com

 

今回はウッドレジンキーキャップの作製で、ブロックからキーキャップを切り出し、削り出して完成するまでをまとめていきます。

1‐0.準備物

  • ノコギリあるいは切り出せるリューターなど
  • やすり(僕は水研ぎの400,600,1000,1500,2000番)
  • コンパウンド(粗目、中目、鏡面用)
  • 市販のレジンの型・あるいはキーキャップの軸
    • 一応、僕のBOOTHで軸だけ扱っていますので型までは・・・というかたはよければ。

      kiriman-works.booth.pm

  • レジン
1‐1. ノコギリ・リューターなどの取り扱いについて注意

異種混合物を取り扱います。 木材はかなり硬く、レジンは柔らかいため切り出したり削り出したりする際に刃の通りが一定ではありません。

力の入れ具合が変動するため、かなり危ないです。僕は何度も手を削りました。よって、ここまで書いていてなんですがウッドレジンはあまりお勧めしません…

それでも、という方はしっかり手袋や危険性に注意した上で作業を行ってください

 

2‐0.ブロック→キーキャップのサイズへ切り出し

大きなブロックから、1Uサイズや1.5Uサイズより少し大きく切り出します。

 

2‐1.切り出し

使いたいところをノコギリあるいはリューターで切り出します。出したい模様を意識して、切り出す位置を決定しました。 このときは1Uと1.5Uを作ってますね。

 

ブロックを作る際に、木材を少し高さ方向で高く切ってあります。出っ張ている木材をこれまた切り落としましょう。

 

3‐0.キーキャップへと成形

ブロックをキーキャップの形へ加工していきます。ここはひたすら削り出しです。

 

3‐1.概形を削り出し

四角いので、お手本となるキーキャップと見比べながら削り出していきます。

(ちゃんと寸法測って、下書き書いてやってもいいと思います)

 

このときに、木は硬いので力が入る。レジンは柔らかいので、力は抜く。

これを1辺でやると 力:強→弱→強 みたいに変化していきます。ちょうどこの境目で例えば削りすぎたり(木材→レジン)、引っかかってキーキャップが飛んできたり(レジン→木材)します。

僕はお手製の簡易作業ブースでやっているのですが、何度も助けられました。ものすごいスピードでキーキャップが飛んできますよ!!

 

3‐2.キャップの形にする

台形のブロックだと、キャップとしてはまりません。そこでドリルを使って、ブロックの内部をくりぬいていきます。

 

この時も素材間の境目でドリルが暴れてえらいこっちゃになります。気を付けてください。

 

で、土台部も削ってきれいにしておきます。(上の3,4枚目)

最後に整えるようにしたのは削る面積が多いと研磨で整えるのが大変だからです。概形を作ってからは先に内部を削って外周を薄くしたうえで、整えると比較的少ない労力でできます。

 

ここまでくると、木も薄くなり内部を光がとおるようになるので先ほどよりも透明感が増して模様がきれいに見えてきます。

 

 

3‐3.研磨

あぁ、大変な研磨です。 本当にこの工程は大変です。でも、磨き終わってきれいになった姿を見るのは本当に気持ちがよいものです。

 

面がきちんと出ていて、角もぴちっとしたラインになっているのは見ていて気持ちがよいです。



ここまで行くのに、八段階の研磨を行うわけです。

 

4‐0.仕上げ

形ができたので、あとは軸をつけてオイルフィニッシュです。

 

軸は別に市販の型を用いて作製します。

で、それをまずは回転方向と前後左右の水平を確認した上で、UVレジンで仮固定する。

その後、2液性レジンを内部に薄く敷く。これにより内部の透明度と固定強度が上がります。

 

最後に、蜜蝋で木部をしっかりとコートしてあげれば深いツヤが出ます。

 

 

 

完成!! きれいに仕上がりました

 

おわりに

ご覧いただきありがとうございました。

木を切り、ウッドレジンブロックを作り、成形し、軸をつけて研磨と工程が多いですが自分的には大満足の出来上がりです。

 

頑張って作ったウッドレジンキーキャップはBOOTHに出展しています。

(20240519執筆時 残り1点)

 

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それではまた見ていただけると嬉しいです。

クラシックカーキーキャップ -60’s のこだわり デザイン編

ご覧いただき、ありがとうございます。

クラシックカーキーキャップをスカルピーで作製した過程をご紹介します。



前回、20年代の車をモチーフに作製しました。

今回は、60年代の車ということでデザイン面でどういった点を重視したのかまとめていこうと思います。

 

なお、スカルピーでの作成過程については前回の記事をご覧ください

kirimanworks.hatenablog.com

kirimanworks.hatenablog.com

 

 

今回はデザイン面や追加でこだわった点についてご紹介します。

 

 

1.0 デザイン

1.1 資料探し

クラシックカーの資料を探します。

今回もトヨタ博物館の車両データベースを参考にさせていただきました。

toyota-automobile-museum.jp

 

実際に見に行ったことがありますが、古い車から最新のものまで多くの車を見ることができました。

また、すべて実動の状態で維持されているようです。

 

1.2 60年代の車らしさを探る

アーカイブズには車の正面、横の写真とともに年代が記載されています。

主に、日本車の60年代をざっとみて気づいたのが下記です。

  1. ヘッドライトは丸型
  2. ヘッドライトはフロントグリルと同一面(20年代はヘッドライトが出目金のように飛び出ていました)
  3. フェンダーミラー
  4. 本体側面にサイドマーカー
  5. 三角窓(風を取り込むためのAピラーにある小さな窓)
  6. ホイールは〇

 

 

1.3 各々の特徴について

 

1.3.1 1.ヘッドライトと2.フロントグリルの位置関係

20年代の車は下記のように、ヘッドライトがフロントグリルから正面に少し飛び出た形のものが多い印象です。

一方で、60年代になるとフロントグリルに収納されて一体感が出ているように見えます。

1.3.2 3.フェンダーミラー

ミラーの形は当然薄いものから、砲弾型のように厚みを持ったものもあります。今回は作業性も考えて「トヨタ 2000GTロードスター」が採用した砲弾型のフェンダーミラーを採用しました。

 

この作業性、注型時の気泡抜きを考えたものです。あまりに薄いとそこから気泡を取り除くのが難しくなります。また、原型が割れる恐れや同様にレジンも割れる可能性が出てきます。

そこで、ある程度の厚みを持たせつつスタイルを維持できる砲弾型としました。

(下図、シリコン型から気泡を取り除いている模式図)

1.3.3 4.本体側面のサイドマーカー

必ずしもあるわけではないのですが、いまではお馴染みの形になってきているので取り入れました。主に、大衆車についている印象です。

 

1.3.4 5.三角窓

取り入れたい要素の一つでした。 前回の―20’sはボンネットが特徴的で窓まで入れ込むことができませんでした。今回はフロントの窓まで造形しましたのでマストです!

 

とはいえ、あまりにもキャビン側を大きくしてしまうとロングノーズのスタイルを表現できないので、バランス取りに苦労しました。

キーボードニュースさんには毎週作業のお供として、お世話になっております。

 

 

1.3.5 6.ホイールは〇

どの車を見ても、ホイールは〇です。今みたいに深リムのスポーク5本で…みたいないかついホイールは技術的な問題でなかったんじゃないかと思っています(詳しい方教えてください)。また、いまでも安価なモデルはスチールが一般的ですよね。

 

 

1.4 細部の造形

自身の技量を高めるために、前回のー20'sよりも大幅に細かな造形を組み込むことを考えました。

1.4.1 サイドマーカー

そもそも小さいので、縮尺を考えた際になくてもよいかと思っていましたが1.3.3に記述したように特徴的であるため自分ができうる範囲で取り入れました。

(結果として、造形でむちゃくちゃ苦労した)

※1枚目参照

 

苦労した原因は、全体的なバランスが完全に対称ではないためによい位置を片側で見つけても、もう片方は対称な位置だとバランスが悪く、しかもそれを一目で見れない(反対側のため)ために何度もひっくり返しながらお互いのバランスのよい位置を探しました。

 

 

1.4.2 足回り

20年代の車はサスペンションが板バネで、足回りも構造がシンプルでした。また、資料があまりにもないので、反映できませんでした。

一方、60年代になるとサスペンションにショックアブソーバー、ロアアームなど現代とほとんど変わらない構造になってきていました。さらに、断片的ですが資料が集まったのでできるだけ一般車両を意識して反映することとしました。

 

 

 

そして、真っ黒だと見づらいので実際に塗装したものが下の写真1枚目の右側です。

 

タイヤ溝は塗膜で隠れちゃうんですが、一応あります…

 

 

実写の構造はこういったページでも紹介されていますね

motor-fan.jp

1.4.3 ワイパー

フロント窓があるなら、これもあるだろうということでワイパーも付けました。

これ、60年代の車見てみてください。 いまと違うところがあります。 どこでしょう?

 

正解はワイパーの起点の位置と動作方向です。僕らが普段乗っている車は助手席から運転席へ先端が回転すると思いますが、60年代の車はいろいろな回転方向がありました。

今回は「いすゞベレット1600GT」を参考にしました。

 



おわりに

ご覧いただきありがとうございました。

1Uサイズに車の特徴を詰め込むデザインはなかなかに大変でしたが、自身のこだわりが詰まったものになりました。

 

製作過程でのこだわりについては、次の記事でまとめていこうと思います。

 

また、頑張って作ったクラシックカーキーキャップはBOOTHに出展しています。

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それでは次の記事でお会いしましょう。

 

 

 

クラシックカーキーキャップ -20's の製作過程2‐色塗りから完成まで

ご覧いただき、ありがとうございます。

クラシックカーキーキャップをスカルピーで作製した過程をご紹介します。

 

前回は原型づくりから注型までを書きました。

kirimanworks.hatenablog.com

 

今回は注型後の作業をまとめていきます。

 

 

4.0 色付け

透明でもいいのですが、やはり色を付けたいところ。

今回は2通りの手法を検討しました。

 

 

 

4.1 多色レジン注型

色を付けたレジンを、その部品ごとに注型していくことで多色のものを完成させます。

 

これが難しかったーーーー

 

方法

  1. 2液性レジンを混合
  2. 分注して色を付ける
  3. 少し硬化させて粘度を高める
  4. 型に少しずつ流し込む(意図しないところに流し込まないように、慎重に)

これで1日待ちます。で、固まったらまた上記を繰り返すわけです。

 

ただし、思ったようにレジンはとどまってくれません。垂れてしまうこともあるので、高さがある部分だと思ったようにはいかないですね。

 

ただ、なんとか完成! 思ったよりはよいですが、細かいところの色分けを考えると手間がかかりすぎます。

 

 

4.2 色塗り

車がモデルなので、車専用の塗料で塗りました。Holtsのタッチペンです。

ダークグリーン: センチュリーやクラウンなどトヨタの高級セダンと同系色のダークグリーンマイカを使用 深い緑です

マイカレッド: 艶やかで深みのある赤を使用 こちらもマイカが入ることで赤の中にきらめきを感じます

 

4.2.1 下地作り

2液性レジンで注型後、洗浄して表面の油分をふき取り、サーフェーサーで下地を作ります。

でっぱりが多いので、やり残しがないようにと吹きすぎると細かい溝が埋まるというジレンマ…


4.2.2 色塗り―大まかに

ベースの色を広く塗っておき、細かいところを後に塗っていきます。

タミヤの細い筆を使用しました。 

車用の塗料は乾燥が早いので、塗料皿に出してすぐに塗らないとドロドロになりますね。筆も固まります。

うすめ液が必須でした。ちまちま塗ったらうすめ液で筆を洗って、また新しく塗料をとって、塗っての繰り返しです。

 

4.2.3 色塗りー細かく

はみ出しなどは上から塗って補修していきます。色が濃いので下地が透けることなく補修可能でした。

ここが一番神経を使うところで、ホイールやバンパーの縁までしっかり塗分けました。

また、ライトの縁もしっかりとぬりぬり…

 

4.2.4 コーティング

色塗りが終わったら、クリアでコーティングします。

 

2回ほど塗り重ねて、少し厚めにしております。

指の腹で押す分には塗装がはがれることはありません。

爪でひっかけば跡がつきますが、同じく剥がれることはないのでよしとしました。

 

5.0 仕上げ

仕上げにヘッドライトのくぼみにレジンを流し込んでレンズを再現しました。

 

カラーバリエーションは緑と赤の2色としました。

 

 

おわりに

ご覧いただきありがとうございました。

構想からかなり時間がかかりましたが、納得のいくものができたと思っています。

 

この頑張って作ったクラシックカーキーキャップはBOOTHに出展しています。

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それでは次の記事でお会いしましょう。

 

クラシックカーキーキャップ-20's の製作過程1‐デザインから注型まで

ご覧いただき、ありがとうございます。

クラシックカーキーキャップをスカルピーで作製した過程をご紹介します。

 

1.0 デザイン

1.1 資料探し

クラシックカーの資料を探します。

今回はトヨタ博物館の車両データベースを参考にさせていただきました。

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実際に見に行ったことがありますが、古い車から最新のものまで多くの車を見ることができました。

また、すべて実動の状態で維持されているようです。

1900年ー1920年までの車がヘッドライトが丸目でかわいらしいのでチョイス。

 

1.2 1Uサイズへデザイン

車らしさを表現しつつも1Uサイズに落とし込む必要があります。

ここでの注意として

  1. 型取りが可能
  2. 塗分け、色分けが可能
  3. それっぽいけど、なにものでもない

を意識しました。

1.型取り可能

これはかなり難しいところです。細い→折れる 中空→型から取れない などの制約がありますのでパーツはすべて太い面で接する必要があります。

2.塗分け、色分けが可能

あまり詳細にデザインしすぎると後の色分けで自分が苦しむのでデフォルメも意識。

3.それっぽいけど、なにものでもない

これは特定の車を作りたいわけではなかったので、クラシックカーらしさを残しながらもどれでもないものを目指しました。いくつかの車の特徴を見つつ、共通項を出して概念としてデフォルメしました。

 

2.0 原型づくり

原型はスーパースカルピーを使用しました。

プロの造形士がドールなどを作るときに使うようです。オーブンで焼くことによって硬くなりますので、作業を一時中断も容易です。超高級でなかなか手が出せませんでしたが…ついに!!

 

いろんな種類の粘土を使ったわけではないですが、それでも違いが分かるほど盛る、切る、均すがスムーズにできました。

 

 

 

2.1 概形を作る

市販の自作キーキャップ用の軸部分に粘土を盛っていきます。

ここでようやく立体になるので、バランスなどを調整しながら後の造形へとつなげます。

2.2 調整をする

概形ができたところで削ったり、盛ったりしてバランスの調整を行います。

  1. ボディを盛る
  2. タイヤを貼る
  3. タイヤハウスを盛る
  4. バンパーを盛る
  5. ヘッドライトをつける

そうすると、こんな感じに。

2.3 細かい彫りこみ

概形が決まったので、細かい作りこみを行いました。

具体的にはフェンダーのメッシュ部分を削り込んで細いラインを立たせる。左右にはダクトを彫りこむ、エンジンルームを開けるための機構(溝)を彫りました。

また、ヘッドライトは後にレジンを流し込むためにまずは凹をつくりました。

タイヤはしっかりと溝を彫り、ホイールも再現しました。タイヤハウスを後でかぶせたことで立体感が出たと思います。

 

で、完成したのがこちら。

 

2.4 再度の調整

盛りすぎてハマらないーと書いてある通り、はまりませんでした笑

1Uいっぱいいっぱいにしたためです。すでに焼成後だったため、やすりで干渉する部分を削って、なんとか完成しました。

 

 

3.0 注型

ここからは原型を使って注型するための準備を行います。

このあたり、通常運転のため写真はありません…

詳細が気になる方はコメントなどでご質問ください。

3.1 型取り

シリコンを用いて、型取りを行います。私が使っているのは食品にも使用できるものです。柔らかめが気泡抜けがよいため使用しやすいのですが、耐久度としては硬さ:普通のほうが優れております。いまは硬さ:普通を使用しています。

 

 

気泡を抜くためにシリコンを流し込んだ後は数十分冷蔵庫に入れておき、硬化を遅らせます。

ただし、この方法をとると後程常温に戻って硬化が始まってからも気泡が出てくることがあるので定期的に確認が必要です。

3.2 試しの注型

普段使っているレジンは2液性のため、硬化まで時間がかかります。

まずはUVレジンで試してみました。

 

 

きれい!!!!!

 

3.3 注型時の注意点

下が型の写真です。

ぱっと見だとわかりづらいですが、気泡が潜むポイントがたくさんあります。

  • ヘッドライトのくぼみ +(見えないけど)ヘッドライトの縁
  • バンパーの小さなでっぱり部分 +バンパーの返し部分
  • フロントグリルとバンパーの段差

などなど。これらすべてに気泡が入ります。レジンはあらかじめ真空引きをしますが、流し込む段階でこれらに気泡が残ります。そして、簡易真空引きでは取りきれません。

地道に細い棒でつついて出します。

 

固まった後に気泡が入っていたら泣く。 泣くしかない。

 

気を付けていても見えないところに気泡が残るし、硬化時にも発生するのでそこが歩留まりに影響してきます。こればかりはどうしようもないですね。

 

おわりに

ご覧いただきありがとうございました。

色がついていく過程については、次の記事で段階的にまとめていこうと思います。

 

また、頑張って作ったクラシックカーキーキャップはBOOTHに出展しています。

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それでは次の記事でお会いしましょう。

木とレジンの美ーウッドレジンキーキャップの作製2(下準備)

ご覧いただきありがとうございます。

前回(第1回目)はウッドレジンとはなにか、自分なりにまとめてみました。

 

kirimanworks.hatenablog.com

 

今回はウッドレジンキーキャップの作製で、木をレジンで包埋し、ブロックにするまでをまとめていきます。

 

1‐0.準備物

・包埋ブロック用の型

・木材

・レジン(筆者はフローレスレジンを使用)

・その他、工具(本記事で適宜出てきます)

 

1‐1. 型の選定

今回は包埋ブロックを作製しますが、明確なサイズはありません。

そこで、適当なケースを100円ショップで調達してきました。

ここに、アクリル板をこれまた適当な大きさに切って貼り付けることで型としました。

 

 

1‐2. 木材の選定

木材はウッドレジン、というジャンルで言えばなんでもよいと思います。

自分は木の持つ複雑さを活かしたいと思ったので、写真のように細かな凹凸のある流木を選択しました。

 

2-0. 木材の処理

買ったものそのままでは使用できませんので、以下自分のデザインを考えながら処理を施します。

 

2‐1. 木材の加工

木と木の間隙を1Uのキーキャップに収めたかったので、長軸方向は1Uキーキャップの高さ程度にします。

このとき、ブロックにして削り出すことを考えて、高め設定しています。

(1.8㎝程度)

 

で、ひたすら切り出していく。ここはノコギリでシャクシャク切っていく。

(写真はありませんでした。)

2‐2. 仮配置

切り出したブロックを型に並べていきます

 

木の凸凹と歪みをみつつ、自分の理想とする間隙を作り出すために

お隣同士の木を何度も並べ替えました。

結果として、木々が複雑な間隙を生み出し

自分の思ったような水の流れを生み出す谷や海蝕洞を表現できたように思います。

(自分がどういうものを期待しているのか、ここ大事)

2-3. 木材のレジンコーティング

僕はすべてのレジン制作に「フローレスレジン」を使用しています。

詳細は下記にありますので、気になる方はどうぞ。

www.kitetsu.biz

 

で、コート用のレジンを塗り、1日硬化します

 

ここでレジンを塗ると、表面の小さな凸凹から気泡が出ますので、

可能であればライターのような熱源で気泡はつぶしておくとよいです。

 

ついでに型に入れて、コート用レジンごと硬化

並べ方は2-2.仮配置で設定した並びです。

 

3. 包埋

フローレスレジンの注型用を自分は使用しています。

気泡抜けがよい反面、粘度は低いので複雑な模様は硬化までに消えます(混ざってしまう)

 

こちらを先の型に流し込み、硬化させればブロックは完成です。

 

流し込む際に、僕は透明レジンに青、水色のレジンを足してグラデーションを付けた部分も作りました。

結果的に切り出すところによって色味や木の印象が違ったので、面白いものにできたと思います。

 

おわりに

ご覧いただきありがとうございました。

ブロックからキーキャップになる過程については、次の記事で段階的にまとめていこうと思います。

 

また、頑張って作ったウッドレジンキーキャップはBOOTHに出展しています。

よければご覧ください。

kiriman-works.booth.pm

 

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それでは次の記事でお会いしましょう。