ご覧いただき、ありがとうございます。
モノアイキーキャップをスカルピーで原型づくり、多色レジンにて製作した過程をご紹介します。
なお、スカルピーでの細かい作成過程についてはほかの記事をご覧ください
今回はモノアイキーキャップの製作過程でこだわった点についてご紹介します。
1.0 デザインのこだわり
1.1 モノアイにするにあたり
まず、モノアイを作るにあたり考えました。自分はモノアイがすきだけど、ほかの人はどうだろう?案外好きな方多いんじゃないかと。
Xで投票を行った結果は、好きな方93.3%でした!
モノアイは…
— ジョン・マイヤー・キーキャップ (@kiriman_works) 2024年5月31日
で、好きな方が多いのはわかりました。
ただ自分の中で、モノアイ=ザ〇 が思いつきます。それをマネするわけにはいきませんし、あくまで自分も自分がデザインの概念として好きなモノアイを表現するように心がけました。
1.2 モノアイのデザイン
最初にモノアイを丸くくりっとしたお目目で書いてみました。
しかし、なにか物足りない!モノアイにあるかっこよさが見られない!
そこで、斜めに切ってみたりすることであの鋭いまなざしになるのではと思い、
いくつか案を出してみました。
上下で切ってみたり、シンプルな中にかっこよさをと思って段差をつけてみたりとした結果。
なんかしっくりこなくて、一晩寝かせた結果
最終的に右下のデザイン案ができました。
回答ありがとうございました!モノアイキーキャップ、構想してます…
— ジョン・マイヤー・キーキャップ (@kiriman_works) 2024年6月1日
こういう、デザイン性求められるものってほんとに苦手🙄 https://t.co/ypPUNbZ2Wh pic.twitter.com/WsvLmsuCHn
1.3 デザインの中での工夫
- モノアイはクリアさを強調できる構造とする
- 全体的に装甲感を出したい
1.については製作時の工夫で再現しました。
2.については段差や溝、リベットのような点を追加することで表現しました。
2.0 製作時のこだわり
2.1 スカルピーのざらざらとレンズのクリアさ
スカルピーは粘土ですので、いくらきれいにしてもざらざらは残ります。そこで、レンズには別に用意したレジンを用いることとしました。
レンズをはめ込むまでが大変だった💦
全体的に高低差のある構造なので、まずは低い面から製作して盛っていくようにしました。
ただ、レンズ部分は〇の精度が悪いとレンズとかみ合いませんのでそこは調整が必要です。
土台にレンズはめ込み部分を作りました。
中のリングは溝掘りしてます
— ジョン・マイヤー・キーキャップ (@kiriman_works) 2024年6月5日
で、ぶった切るという… pic.twitter.com/4Qraep01gJ
続いて、レンズはめ込み部はぶった切って、盛りました。
モノアイキーキャップ とりあえずこんな感じ
— ジョン・マイヤー・キーキャップ (@kiriman_works) 2024年6月5日
柔らかいもので直線出すの難しいー https://t.co/RxF3aCJz7z pic.twitter.com/JgeI70knvw
で、さらに直線を調整、盛っていって
モノアイキーキャップ
— ジョン・マイヤー・キーキャップ (@kiriman_works) 2024年6月6日
段差を追加してこんな感じに💡
このあとディテール追加していくぅ https://t.co/8foqHHpm4w pic.twitter.com/pCfPvA140C
モノアイキーキャップ 段差や彫り込み追加して概ね完成
— ジョン・マイヤー・キーキャップ (@kiriman_works) 2024年6月8日
レンズ部分が難関か…! https://t.co/TLZbpBvGVl pic.twitter.com/FJawdGL4y5
概形ができたらレンズに使用するレジンを削って形を整えていきます。
モノアイキーキャップ レンズ部分を削りで調整中 もうちょっとで入りそう!!
— ジョン・マイヤー・キーキャップ (@kiriman_works) 2024年6月8日
←はじめ1,2 →なう3,4 pic.twitter.com/aTjz4QLAmy
かなりの試行錯誤の結果、押し込み時に摩擦を感じるくらいぴったりにできました。
入った!
— ジョン・マイヤー・キーキャップ (@kiriman_works) 2024年6月8日
し、厚みやらなんやら調整していまこれ https://t.co/JtqDrXqkIH pic.twitter.com/3S6zcR9fXV
で、これを型取りする前に一部レジンでコートすることで外装部分にもツヤとざらざらした部分を作りました。
モノアイキーキャップ 型取りのために固定
— ジョン・マイヤー・キーキャップ (@kiriman_works) 2024年6月10日
レジンコートで、レンズと一部装甲の質感をツヤに。残りはマットなので色つけてどうなるか楽しみ😆
うぉーー固まれーーー pic.twitter.com/mpBU05KZpQ
実はこの加工、思いつきでして。
シリコン型を取る前にケースへスカルピーの原型をレジンでつけるのですが、たまたま余ったレジンを一部塗りつけてしまい。よく見るとつやが出てよい感じだったので、外装の一部だけならアクセントになってよいかと思って塗りました。
2.2 多色レジン成形
色分けは主に3か所を考えていました。
- レンズ
- 外装
- それ以外の骨格、土台
さて、多色レジンは苦手とするところです。
使用しているレジンは気泡抜けがよく、透明度の高い作品を作るのには向いているのですが、
硬化が遅くて細かなところに留めておくことが難しいのです。
まずは瞬時に固まるUVレジンで試してみました。
粘り付くレジン、一瞬の隙にUV照射で硬められ無事に試作が完了した!!硬化に時間のかかる二液レジンで崩壊を防ぐことができるのか…
— ジョン・マイヤー・キーキャップ (@kiriman_works) 2024年6月14日
次回、「加熱!積層!多色レジン」
またみてくれよな!
ということで、割といい感じに試作できましたが二液でどうなることか…🙄 https://t.co/VLYByCGAOp pic.twitter.com/dAd7dNnwMC
思ったような色分けはできそうです。
ここで、自分の持っているレジンで粘度の高い
「フローレスレジン 海レジン用」をレンズや外装に使うことにしました。
こちらは気泡抜けがよい割に硬化が比較的早い(1時間―2時間くらいで水あめ状になる)ため、多色レジンでの注型も可能でした。
同じくコーティング用なども持っていますが、そちらは同じ粘度になるまで半日以上かかりますのであまり向いていない印象です。
2.3 レンズの仕掛け
さて、下の写真お分かりいただけるでしょうか。
モノアイキーキャップ ちょっとしたこだわり、というか試みをしてます
— ジョン・マイヤー・キーキャップ (@kiriman_works) 2024年6月18日
気づいてもらえますか?💡 pic.twitter.com/U2jGCjMOSM
実はレンズ部分が光を透過しているのです!! (えっへん!
なんだーそんなこと、と思わないでくださいね。 不透明なレジンを型に流しいれるのに透明な個所をどうやって確保するのか、あなたならどうしますか。
僕はむちゃくちゃ悩んだ結果、下の図のようにしました。
レンズの裏面に、別途透明レジンの棒を用意しておき、それを張り付けています。そうすることで色付きのレジンを流しいれてもレンズの後ろはクリアなままです。
ただ、ここに難しい点が一つ!
この棒が後ではめ込む型に干渉しないようにする必要があります。
レンズ部分のレジンは毎回同じだけ入れ込めるわけではありません。(厳密には量を合わせておく必要がありますが、その時の硬化の具合などで量を調整して入れているので揃えられません。)
ということで、レジンの棒は逐一クリアランスの調整のため、削っては軸受け側の型をはめてフィッティングを見ました。
この過程、結構大変でした…💦
でも、完成した作品では予想通りにキーボードのバックライトを透過してくれました。
モノアイキーキャップ 実は、レンズ部が光を透過します😏
— ジョン・マイヤー・キーキャップ (@kiriman_works) 2024年6月20日
地の色は4枚目にある薄ピンクなんですが、わりと他の色も反映されますね💡#キーキャップ https://t.co/SCr2AgdIYO pic.twitter.com/cb9wZYSFMG
2.4 カラーバリエーション
キラキラと鉄感も出るマイカパウダーをふんだんに使って、かっこいいと思えるような色味を調合しました。
ベースにシルバーを入れて、そこに各色のマイカパウダーを混ぜていくようにしました。
そして、完成したのがこちら!
モノアイキーキャップ カラバリ揃いました👍
— ジョン・マイヤー・キーキャップ (@kiriman_works) 2024年7月1日
かっこいい🕺
手前のレンズ色が濃い方は光不透過
奥は透過でキーボードの色に合わせて色味が変わります
今日ぺージ作れるように頑張ろう💡#自作キーキャップ pic.twitter.com/PwKRQOpBWy
いや、かっこいい!!笑
ということで、完成です。
おわりに
ご覧いただきありがとうございました。
新しい仕掛けによって製作時の手間がちょっとかかりましたが、その分楽しいギミックをお届けできたのではないかなと思っています。
頑張って作ったモノアイキーキャップはBOOTHに出展しています。
よければご覧ください。
そのほかのスカルピー作品はこちら。
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https://twitter.com/kiriman_works
それでは次の記事も見ていただけると嬉しいです。